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事象関連電位 - 脳科学辞典

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松本 敦 国立研究開発法人 情報通信研究機構 脳情報通信融合研究センター DOI:10.14931/bsd.6724 原稿受付日:2016年12月29日 原稿完成日:2021年12月7日 担当編集委員:定藤 規弘(自然科学研究機構生理学研究所 大脳皮質機能研究系)、田中 啓治(国立研究開発法人理化学研究所 脳神経科学研究センター) 英:event-related potentials 独:ereigniskorrelierte Potentiale 仏:potentiel évoqué 英略語:ERP  知覚や認知処理に関連して発生する脳波の総称である。数十回以上の加算平均により得られる。視覚誘発電位では潜時が短い成分は一次視覚野での処理を反映し、潜時が長くなるほど高次の視覚野での処理を反映する。高頻度刺激に混ざった低頻度刺激に対応して引き起こされるミスマッチ陰性電位については、先行刺激の記憶痕跡との照合過程を反映するという説や予測コードとの照合のエラーを反映するという説がある。  通常、脳が活動している際には脳内に電気的な活動が発生している。頭皮上においた2つの電極から計測されるわずかな電位差を脳波と呼び、これは脳内で起こった電気的活動の一部を計測したものである。脳波は、ある特定の事象、例えば記憶の想起や注意の方向の変化、視覚刺激や聴覚刺激の特徴抽出に際して特有の変化を起こす場合がある。  事象関連電位とは、そのようなある特定の事象に関連して発生する脳波の総称である。事象関連電位という言葉をその字義通りに考えてみれば、「ある特定の出来事(事象)に関連して発生する一過性の脳波」であるが、最近では加算平均法によって得られたものを事象関連電位と呼ぶのが普通である。例えば、特定の視覚刺激を呈示し、その際の脳波を記録すると刺激呈示後100-200msの間に波形の変化を観察できるが単一の試行では多くのノイズに埋もれて観察が難しいため、複数回(数十回)刺激を呈示し、刺激呈示のオンセットに合わせた脳波を試行分切り出してきて加算平均することによって、ランダムに発生するノイズは相殺されて全試行において現れる振動(deflections)が残り、これを事象関連電位と呼ぶ。  事象関連電位は知覚や認知処理に対応して出現し、これらの処理の過程を検討するための有用な指標として、心理学や神経科

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