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平野啓一郎が語る『三島由紀夫論』──虚無を脱するために出した答えとは【小林秀雄賞受賞記念🎊】|平野啓一郎

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平野啓一郎が文学に目覚めたきっかけであり、最も大きな影響を受けた作家でもある三島由紀夫。その四つの代表作を精読することで三島の思想をスリリングに解き明かした『三島由紀夫論』が、第22回小林秀雄賞を受賞しました(詳細はこちら)。 今回は受賞を記念して、平野啓一郎自ら『三島由紀夫論』について語ったインタヴューを無料公開いたします。 三島由紀夫、大江健三郎、そしてその二人に多大な影響を受けた平野啓一郎。「虚無からの脱出」という共通する問題意識に対して、三人はどのような答えを出したのか。ぜひ最後までお楽しみください。 『三島由紀夫論』Amazonページはこちら 無料試し読みはこちら ※このインタビューは、平野啓一郎による文学解説が聴ける「文学の森」で行われたライヴ配信を一部テキスト化したものです。 平野啓一郎(以下、平野):中学時代に『金閣寺』を読んで強い衝撃を受け、それが文学に目覚めたきっかけになりました。あれほどの衝撃を一冊の本から受けたことは、後にも先にもありません。あのときの衝撃がなければ、自分の人生は今と同じではなかったと思います。 『三島由紀夫論』は、構想・執筆23年に及ぶ作品です。これほど長く執筆の情熱が持続したのは、自分がどうして三島由紀夫にあんなにも強く惹かれたのか、ある意味、自分の文学者としてのルーツを知りたいという気持ちがあったからだと思います。 ただし、三島に対してはみな思い入れが強く、個人的な”我が三島”が語られることも多い。文学の読み方としては、それこそが重要だと思いますが、自分の仕事としては、自己投影が過多になることなく、三島を徹底的に他者として理解しようとすることを、心がけました。 四つの代表作(『仮面の告白』、『金閣寺』、『英霊の声』、『豊饒の海』)を精読し、三島の言わんとしてることを正確に理解して、そのような考え方に至った経緯を、時代背景と彼が影響を受けた思想を通じて分析する。自分の考えを書くのは、すべてその後にしたかったんです。 これは僕の小説のテーマでもありますが、他人とコミュニケーションを交わすとき、相手の本心は結局のところわからないが、その上でやはりわかろうとするというのが、重要です。文学作品においても作者の意図は、究極的にはわからないと言うべきですが、それでもそれをわかろうとすることに、読解の意味があると僕は思います。 平野:三

平野啓一郎が語る『三島由紀夫論』──虚無を脱するために出した答えとは【小林秀雄賞受賞記念🎊】 68 平野啓一郎 2023年8月25日 14:08 平野啓一郎が文学に目覚めたきっかけであり、最も大きな影響を受けた作家でもある三島由紀夫。その四つの代表作を精読することで三島の思想をスリリングに解き明かした『三島由紀夫論』が、第22回小林秀雄賞を受賞しました( 詳細はこちら )。 今回は受賞を記念して、平野啓一郎自ら『三島由紀夫論』について語ったインタヴューを無料公開いたします。 三島由紀夫、大江健三郎、そしてその二人に多大な影響を受けた平野啓一郎。「虚無からの脱出」という共通する問題意識に対して、三人はどのような答えを出したのか。ぜひ最後までお楽しみください。 『三島由紀夫論』Amazonページはこちら 無料試し読みはこちら ※このインタビューは、平野啓一郎による文学解説が聴ける「 文学の森 」で行われたライヴ配信を一部テキスト化したものです。 三島を通じて、自分の文学者としてのルーツを探る 平野啓一郎(以下、平野):中学時代に『金閣寺』を読んで強い衝撃を受け、それが文学に目覚めたきっかけになりました。あれほどの衝撃を一冊の本から受けたことは、後にも先にもありません。あのときの衝撃がなければ、自分の人生は今と同じではなかったと思います。 『三島由紀夫論』は、構想・執筆23年に及ぶ作品

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